全全角

見た夢のメモとか起きてる時の寝言とか

前見た夢 青肌黒髪

青肌は部族で暮らしている。同じ青肌しか仲間と認めず、もう一種類の人間、黒髪を憎んでいる。青肌は獰猛で生活も原始的。だけど体は黒髪達より逞しく出来ている。反射神経は野生動物並みで、すぐに人を殺す。銀やパールの髪、真っ青な肌。体全部が貴重な資源として売れる。
黒髪は機械や大きい建物を作って暮らしている。街自体が一つの大きい機械である「電機街」に住む青年タロは、黒い髪・白い肌の黒髪達とは違って、髪も肌も真っ白の青年。目だけオレンジ色。容姿に加えて温厚で無口な為、喧嘩は弱いと思われがちだが、青肌が複数人でかかってきても負ける事は無かった。
ある日、目が開かない少年が統治マフィアの構成員に拉致されかけているのを見つけたタロは、その構成員を退治してしまった。タロの友人ケイコはタロのお人好しに怒り、強制的に少年とタロを匿う事にした。脱出しようとするタロを閉じ込め、大体ここは電機街、やつらの巣からどうやって抜けるつもりだ、と叱った。電機街だから抜けられるんだと言って窓から脱出するタロ。電線を伝い機械の屋根を走り少年を安全な施設まで届けるが、自分は電機街から永久に立ち去る事に決めた。

おびただしい青肌が見張る丘を登る二人組。先頭は短髪でがっしりした若い黒髪。後ろは痩躯の黒髪。巨大な岩塩を担ぎに乗せて丘を登っているが、岩塩は目くらましで、担ぎにはサヨという少女が姿を消して乗っており、青肌の監視を抜けている。表情は明るいが、底が知れないような真っ黒な目をしている。くノ一のような恰好をしている。先頭の男が小声でサヨに頑張れと言う。色んな意味が込められた頑張れだった。運命なら人を好きなってもいいかなと返答するサヨ。後ろの男は顔が青ざめる。サヨは見た目は美しいが名の知れた暴れん坊である。黒髪一族の女とは思えない身体能力と闘争本能を持ちそれを隠さない。当たり前のように、青肌を殺す事を生業にしている。先頭の若人以外には人付き合いも無い。若人はサヨの内側の虚無を知っていたが、自分にできるのは手助けだけとも分かっていた。

丘に挟まれそびえ建つ、「地球防衛基地」と書かれた真っ白で巨大な建物。その根元にサヨを下ろすと、後ろの男は怯えて早く立ち去ろうとする。前の男はサヨにまた頑張れ、とだけ言って塩を担ぎ戻っていった。
建物の中では既に戦いが始まっていった。最上階に辿り着いた者に与えられる栄誉を求めて青肌も黒髪も殺し合っている。競争者を狩りながら建物を登っていく。階が上がる程強い者がおり、下の階ではあまりに自分のレベルに見合ってない場合は「ジャンプ」が出来る。ある程度の強さの階まで無戦闘で登れるシステム。サヨは兎のようにひたすら登ってゆく。
その途中でタロと出会った。タロはジャンプが使えない階まで来ており、誰かを殺しながら登っている。サヨはまだジャンプが出来たが、タロと一緒に登る事にした。素手で戦うタロの真似をして、拳で青肌の腹を破りながら、タロなら好きになってもいい、生きて最上階についたらそう言おうと決めた。
最上階手前、タロは激しく苦戦していた。サヨでも勝目の薄い敵だ。二人で最上階に行きたかったサヨは、タロを先に行かせ、自分が戦いを引き継いだ。この建物でのルール違反であり、栄誉は得られなくなると警告が入るが、サヨは構わなかった。

タロが辿り着いた最上階は屋上だった。髪も白も真っ白で、目だけがオレンジ色の少女がいた。タロは少女の頬を触って名前をきいた。ユナだかユウナだか、聞き取りづらい声で少女は名乗った。おぼつかない口調で、タロに会えて良かったと言った。タロは流石に疲れていたので、横になった。少女も横になり。手を繋いだ。少女の髪が溶け、タロの髪も溶け、手足が溶け、体が溶け、顔が溶けて白い二人の溶けたのは混ざり合った。

重傷を負いながらも建物の、この世の全ての強者を殺しきったサヨが最上階まで辿り着いた。タロがいない。そこには丘を超え電機街と青肌の村が見える世界で一番見晴らしのいい場所だった。屋上には何もない。サヨはタロの名前を何度も呼び、世界を見晴らして探したが、タロはどこにもいなかった。